ウケるコピーよりも売れるコピーを。
セールスライターの伊月(いつき)がビジネスに役立つ情報をお届け。
ライティングや文章術に関する本を読むと、必ず「書いた文章の見直しをしよう」と書かれている。
たしかに、誤字脱字があったり、読んだ時に「結局何が言いたいんだ?」と読者をイラつかせたりする文章は、良い文章とは言えない。
よって、自分が書いた文章にミスがないか、冗長な表現がないかといった見直しをすることはとても重要である。
だが、あなたもこのような経験はないだろうか?
「丁寧に見直しをしたつもりなのに、なぜかいつも誤字脱字を見逃してしまっている…」
こうなってしまうのには、明確な原因がある。
なぜ、見直しをしても文章のミスを見落としてしまうのか?
それは「間違いがないという前提で見直しをしているから」なのだ。
以下の2つのパターンを見比べてみてほしい。
- A:どうせミスなんてないけど、一応見直しをしておくか
- B:これだけの文章量だし、絶対にどこかにミスがあるはずだ。
さて、上記のAとB。どちらの方が、より正確に誤字脱字などのミスを見つけられるだろうか?
そう、答えはBだ。
詳しくは脳科学的なややこしい話になるので割愛するが、人は「どうせミスがない」と思い込むと、その前提で行動してしまう。
つまり、ミスがない前提で見直しをしてしまうと、目の前のミスを見落としてしまうのだ。
逆に、ミスがあるという前提で取り組めば、より注意深く文章と向き合い、見落としがちな細かいミスにも気づけるようになる。
例えば、一般的なサイト1記事あたりの文字数はだいたい2,000〜5,000文字くらいのことが多い。
となると、わずか0.1%の確率で誤字脱字が発生するとしても、その記事に2〜5個のミスがある計算だ。
0.1%という数字だけ見ると発生確率は低いように思えるが、何千文字という文章を書くと考えると、むしろ全く誤字脱字がない方が珍しいことはなんとなくわかるだろう。
もちろんこれは机上の空論ではあるが、要は「基本的に文章にはミスがある可能性が高い」ということだ。
だからこそ「ミスなんてないけど一応…」という怠けた意識ではなく、「ミスがある前提で、丁寧に直そう」という意識で見直しを行うべきなのである。
この意識さえあれば「見直しをしても、いつも誤字脱字を見逃す…」といった理由で自分の注意力を嘆く必要はなくなる。
ちなみに、ここまでやれば人事は尽くしたと言える。
それでもなお、時には誤字脱字を見逃してしまうこともあるが、それは仕方ないと割り切ってしまうと良いだろう。
ミスは1文字でも減らすべきだが、そのために100回の見直しをするのは流石に非効率的すぎるのだから。
コメントを残す